MISSION×TARGET

みっそん×た〜げっと

ミッション×我輩は腐男子である。

皆さん初めまして、僕はただの腐れた男子校生です。
名前はまだない。


僕は生まれてこの方、小学校〜高校まで一貫して帝王院学園に在籍しています。但し見た目が平凡過ぎて恋人はいません。好きな受け攻めはいっぱいいるけど。
ま、リアルまでホモに染まってない分、余所様の恋愛を楽しめて腐男子的にはGJですかね。

さて、腐男子と言うしかチャームポイントがない僕ですが、実は進学科に所属していたりします。
然も何の因果か、中等部の時に生徒理事会である中央委員会に目を付けられ、ひっそり執行部書記などやっております。僕に目を付けやがったのは、当時から風紀委員長だった叶二葉先輩です。GJ、眼鏡野郎!


「また王呀の君はサボりか」

ぽつり、と。
呟いてしまったのは高等部自治会長、西指宿麻飛の事です。クラスメートですが、僕は彼と話した事がありません。同じ自治会執行部なのに。
まぁ、僕は至って平凡で地味な生徒ですから、会長である彼にとっては自分の代わりに働ける体の良い駒でしかないんでしょうね。眼鏡くらい掛けた方が目立つのでしょうか?でも僕、結構視力良いんですよねー。会長には僕の存在なんか全く見えてなさそうですが。

ま、別に良いんですけど。
勝手に彼で妄想させて貰いますから。彼は絶対に強気受けですよ。
うふふ。


「いつも悪いな、余分な仕事までさせて」
「東條君」

無表情で囁いたのは長身な東條清志郎君。彼も僕のクラスメートで、学年3位の優秀な図書委員長です。
然もロシア系らしくホワイトブロンドの極端に短い髪が素敵で、周りにも良く気が付く人。

これで不良やってるんだから、僕の萌えは益々盛り上がると言うしかないよ。

「気にしないで。東條君も余り働き過ぎたらいけないよ」

働いてる時間があったら押し倒されてしまえばいい!
気付いてるかも知れないけどっ、僕は男前受けが大好きなんだ!逆に平凡攻めとか強気攻めとか萌えるじゃまいか、大好きだよ!
俺様受けとかけしからんもっとやれ!

特に学年一位の紅蓮の君は堪らないよ。誰にも靡かない傲慢さも、人を人として見ていない雰囲気も、押し倒してアンアン言わせてやりたくなるね!ハァハァ
ぐっちょぐちょのどっろどろになって、溺愛されてしまえ!ハァハァ
ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ、

「どうかしたか?」

はっ!
やめてくれたまえ東條君、僕は調べ上げているよ。君の幼馴染みである一年の安部河君、見た目は平凡でぽっちゃりさんだけど、中々見所のある腹黒だね?
君が僕なんかに優しい言葉を掛けたら、実家が和菓子屋だと言う彼に毒入り団子をプレゼントされてしまうじゃないか。

「何でもないよ。あ、僕はこの書類を中央委員会に提出してくるから」
「ああ、宜しく頼む。終わったら上がって貰って構わないから」
「はーい」

スキップしたいのを我慢して、僕はいつか東條君が安部河君に押し倒されてしまえば良いのに、と妄想を膨らませながら日課のパトロールに向かった。


ああ、パトロールと言っても僕に不良を止めたりする様な力はない。
ただの萌えウォッチングだよ。うふふ。


「あれ?今日は人が少ないな、春休みなのに…あ、そっか」

今日は始業式だ。忘れてたよ。
真っ直ぐ講堂に行けば良いのか。
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©Shiki Fujimiya 2009 / JUNKPOT DRIVE Ink.